セラピストの教科書

粉瘤(ふんりゅう)とは?

お身体に触れようとしたら、柔らかいシコリがある。ニキビにしては大きいけど、黒ニキビみたいな角栓がある。

カウンセリング時に、お客様から「粉瘤があるので触らないでください。」と言われることありませんか?

一言に粉瘤(ふんりゅう)と言っても見た目が異なることも。。

エステティシャン・セラピスト、身体に触れるお仕事なら知っておきたい「粉瘤(ふんりゅう)」についてまとめてみました。

粉瘤(ふんりゅう)とは?

まずは言葉の定義から。

粉瘤(ふんりゅう)
とは、表皮様組織から構成された、角質塊(皮脂・老廃物を含む)を内包する嚢腫(のうしゅ)を表す疾患総称です。

そう、粉瘤とは疾患そのものの名称ではなく、総称。

  • 同じ粉瘤なのに、見た目や状態が異なる。
  • 触って良いか、良くないか判断に困る。
  • 痛みが出ているケースと、お客様自身が気がついていないケースがある。

お客様から「粉瘤があります。」と言われた時の対応もさまざまで、時にセラピストを悩ませます。

この記事を読めば、粉瘤にはどんな種類があり、皮膚の下はどんな状況なのか、わかるようになります。
セラピスト自身が理解するのはもちろん。
お客様にも説明できる柔らかい言葉で表現していくので、事前カウンセリングやアフターカウンセリングでもお役立てください。

粉瘤(ふんりゅう)の疾患名

実は「粉瘤」と呼ばれるものには、これらが含まれています。

・表皮嚢腫
・ウイルス性嚢腫
・毳毛嚢腫
・面皰
・稗粒腫
・外毛根鞘嚢腫
・脂腺腫
・皮様嚢腫
など

数ある嚢腫の中でも、一般に粉瘤(ふんりゅう)と表現されるのは、表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)のこと。

この記事では、ちまたで「粉瘤」と呼ばれる、表皮嚢腫の特徴や対応についてまとめていきます。

粉瘤(ふんりゅう)の仕組み

ここからは、もっとも多く対峙するであろう「粉瘤」=表皮嚢腫について書いていきます。
(粉瘤は総称なので、他の疾患の可能性があることは念頭に置いておいてくださいね。)

粉瘤の特徴

表皮嚢腫は、皮膚の下に袋状のカプセルができ、皮脂・垢・角質といった老廃物が溜まることで生じる良性の腫瘍。

〜特徴〜

  • ツルッと丸いしこりで、痛みはない。
  • 皮膚の下の浅いところにあるため、触るとコリコリ動く。
  • 黒い点(袋の入口)があることが多い。

表皮嚢腫ができる範囲

表皮嚢腫ができるのは、表皮・真皮層です。
皮下脂肪とは癒着していないため、触ると皮膚の下で動くのがわかります。

ボクシングに使う小さいパンチングボールみたいな状態。
毛穴の開口部を接点にして、涙型の袋がぶら下っていて、フリフリ動くようなイメージ。

表皮嚢腫を構成している成分

毛穴と表皮嚢腫

  • カプセル部分
    表皮嚢腫となる袋状の組織は、皮脂腺を含む毛包成分と同様の上皮成分であることが多いです。
  • 内包物
    角質・皮脂・垢といった老廃物です。この時点では、膿んでいるわけではありません。
    カプセルの大きさは違いますが、白ニキビと同じ状態と言えるでしょう。
  • 開口部の黒い点
    開口部に見える黒い部分は、内包物と同じ成分。
    内包物である角質・皮脂・垢が酸化によって黒く変色した状態。
    よって、黒ニキビと同じ状態と言えるでしょう。

表皮嚢腫ができやすいパーツ(お身体の部位)

表皮嚢腫は、毛穴のあるところであればどこにでもできる可能性があります。
わたしが個人的によく見かけるのは、背中です。

  • 背中上部:脊柱起立筋上、肩甲骨近辺、僧帽筋上
  • 腰:脊柱起立筋上
  • 頭部:頭皮、耳の後ろ
  • 顔:頬、耳

触れられない状態・炎症している

お客様から「痛いので触らないでください。」と言われたり、「赤くなって膨れていますけど、お痛みございますか?」と確認が必要な状況のときに皮膚下では炎症が起こっています。

炎症が起こる仕組み

表皮嚢胞の炎症

炎症が起こる仕組みは、シンプル。
袋状のカプセルが破れて、中にある老廃物が漏れ出すことにより、真皮内で炎症が起きている状態です。

カプセルが破れてしまう原因

  • 皮膚の外からの圧迫刺激。
  • 免疫力が下がり、カプセルの膜が薄く脆弱になり、破れる。
  • 内包物である老廃物に毛穴から菌が侵入し内部で炎症を起こす。(赤ニキビと同じ状態)

といったことが考えられます。

炎症している箇所は触らず、炎症が落ち着くまでは、できれば施術をしないことが望ましいです。
油分を好む菌が繁殖している可能性があるので、オイルトリートメントは避けた方が良いでしょう。

粉瘤(ふんりゅう)の解決方法

粉瘤の解決方法は、主に2パターン。いずれも医療行為となるため、セラピストが施術で対応できるものではありません。

表皮嚢腫が小さい場合

カプセル内の内包物を取り出し、空にする方法。
ただし、カプセルそのものを取り除かないと、根本的な解決にはなりません。

表皮嚢腫が大きい・炎症しやすい場合

カプセルそのものを取り出す方法。
切開により、カプセルそのものを取り出し、縫合します。
根本的な解決には、この方法になります。
大きい場合は母子丘くらいの膨らみになることもあり、見た目や日常に支障をきたす場合や、炎症が頻繁に起こる場合には手術を考えてもいいのかもしれません。

放っておいて治るものではないので、日常生活に支障が出る・緊急性があるかどうかで判断が分かれてくるでしょう。

粉瘤(ふんりゅう)についてのまとめ

この記事では、粉瘤(ふんりゅう)とは何か?

  • 「粉瘤」は皮膚にできる嚢腫の総称であり、一般的には表皮嚢腫のことを指す。
  • 成分は毛包とほぼ同様で、内包物の状態はニキビに近い。
  • ただし、表皮嚢腫は良性の腫瘍であることから、セラピストが施術でケアするものではない。
  • 根本治療には、切開による摘出が必要で医療的なアプローチが必要。
  • 粉瘤が炎症していない場合には、配慮すれば施術が可能。

などを紹介しました。

では、実際にお客様が施術に来られ、カウンセリング時に粉瘤があることがわかった場合の対応はどうしたら良いでしょうか?

それについては、また別の記事にしたいと思います。